大井川鐵道を走る南海21001系ズームカー

ズームカーとは、南海電車が大阪難波から高野山への直通運転のために開発した車両の通称。大阪付近の平坦部では100km/hの高速運転、高野山付近の山岳部では50‰の勾配を自走できるパワーを兼ね備えているのが特徴。その性能を焦点距離を幅広く自由に変えられるカメラのズームレンズに例えたのが名前の由来と言われているそうです。

大井川鐵道への乗換駅となるJR金谷駅。写真の左奥に見えるのが大井川鐵道の金谷駅。JR金谷駅の出入口は1つしかないので迷うことはありません。なお、JR金谷駅の改札内には大井川鐵道への乗換改札もありますが、駅舎も近く乗換時間も十分にあるので、メリットがほとんどありません。

こちらが大井川鐵道の金谷駅。入口のドアは手動で開けます。

大井川鐵道金谷駅の構内。右側の窓口で切符を購入します。窓口に人が並んでいるときは、左側の改札窓口でも切符を販売してもらえます。構内には売店もあり、お土産や食料を調達しながら時間を潰すと、ちょうど良い時刻となります。

窓口で「千頭駅までの切符ください」と伝えると「往復ですか?」と駅員から聞き返されました。「はい」と答えると「フリー切符を方が安いよ」と教えていただき「じゃあフリー切符でお願いします」と購入したのがこれ。デカい。皆さんも千頭駅へ向かわれる際には、窓口で「フリー切符ください」と伝えるとスムーズです。


金谷駅や千頭駅で改札を通過する際には、このデカい切符を改札にいる駅員の方に見せるだけでOKです。それ以外の途中駅は無人駅なので、途中で下車するときは先頭車両にいる運転手の方に切符を見せて列車から降ります。

そして、お待ちかねのズームカーの勇姿を見よ。金谷駅はホームが狭く上手く撮れなかったので、代わりに千頭駅で撮影したものを掲載です。撮影するならホームが広い千頭駅の方がオススメです。この薄緑の配色はオリジナルのもの。原色のまま動態保存してくれるのは嬉しいですね。

車体の外側に車両データが書かれています。製造年が昭和33年になっていますよ。

ズームカーの座席。無骨でメカニカル剥き出しな構造がたまりませんね。転換クロスシートにしては、背もたれの角度が大きく取られていることに驚き。ゆったり座れて座り心地も快適でした。

天井には1列の照明。左右の荷物棚の下には、南海伝統の読書灯が配置されています。反対側のホームにもズームカーが。

塩郷の吊橋。大井川に架かる吊り橋の中で最長のもの。塩郷駅のすぐ傍にあるというアクセスの良さもあって、人気の吊り橋なんだそうです。この写真は車内の窓から撮ったのですが、本当に列車のすぐ真上に架かっています。てゆーか、幅が板1枚分ぐらいしかなくて、本当に人が渡れるのか?と疑問に思いますが、ちゃんと人が渡っても良いそうです。

千頭駅に到着すると、シートを被った何かが停車中。よく見ると、シートの下から赤い車輪と緑の車輪が見えているので、おそらく「アレ」です。

千頭駅の構内図。左側の大井川本線と右側の井川線は繋がっておらず、千頭駅で乗り換えとなります。地図で見ると金谷駅から井川駅まで1本で繋がっているように見えますが、実は千頭駅を堺に路線が分断されています。電化されているのは千頭駅までであり、SLが来るのも千頭駅まで。ここから先の井川線はディーゼル機関車が牽引する非電化区間となります。

この赤いのが井川線の車両。ちんちくりんで、なんだかプラレールみたいな感じです。元々762mm軌間で建設され、後に1067mmへ改軌されましたが、後からトンネルを広げることもできず、車両サイズだけは元のまま現在へ至るというワケです。そんな場所を通るため、井川線は日本で唯一のアプト式区間が存在します。一度乗ってみたいですね。

おまけ。復路ですれ違ったSL。大井川鐵道は単線なので、上下線のすれ違いは駅で行われます。駅で停車中に遠くから汽笛の音が聞こえるので、もしやとホームへ出てみると、遠くから黒い煙を上げながら向かってくるSLの姿が。やっぱ迫力が半端ねー。SLが通過してから列車は発車するので、駅のホームで通過するSLを見学することが可能です。

千頭駅購入した「石炭あられ」というお土産。石炭を模した真っ黒なあられで、インパクト重視だと侮っていたのですが、むちゃくちゃ美味。黒いのは着色料ではなく、食用の竹炭を餅米に練り込んであり、中まで真っ黒。食べると竹炭のほのかな苦みが絶妙で、薄い塩味と醤油味と相まって、実に美味でした。でも、これと似たヤツが大宮の鉄道博物館にもあるような?


0コメント

  • 1000 / 1000