赤湯駅の構造

事前に聞いていた話によると、JR東日本と山形鉄道は赤湯駅のホームを共用しているが、両社の改札は東西に分かれて存在するらしい。なのに、乗り換え時間は5分しかなく、初心者にはチンプンカンプンな駅なのであります。

復路では乗り換え時間が45分ほどあるので、構内をじっくり見て回りましたよ。まず、JR東日本にも山形鉄道にも掲載されていない構内図から見てみましょう。

1番線と2番線をJR奥羽本線、4番線を山形鉄道が使用し、それぞれのホームは跨線橋で繋がっています。3面4線という変な構造ですが、理由は後述。改札口は東西に2つあり、東口がJR東日本、西口が山形鉄道のもの。よく見ると中間改札はなく、駅構内を自由に行き来できる構造となっています。この時点で「?」です。


結局のところ、両社いずれかの乗車券または入場券を持っていれば、どちらの改札口から出ても良いようです。ワンマン運転の山形鉄道は車内精算になっているためですね。当然ながら、入場券なしに駅構内を通り抜けることはできないことになっています。


というワケで、私は山形鉄道のフリー切符を活用し、山形鉄道から下車すると西口改札から出場、フリー切符で再入場して東口改札から出場、JRの切符で東口改札から再入場して山形新幹線で帰路につきました。

というワケで、山形鉄道が管轄する西口駅舎から参りましょう。ログハウス風でこじんまりとしたデザインがなかなかおしゃれですね。1988年に山形鉄道フラワー長井線の開業と同時に、西口駅舎も供用開始となったそうです。

駅舎の内装もログハウス風で温かみのある雰囲気が好印象です。自動券売機も存在せず、切符は有人窓口で購入するみたいです。山形鉄道は車内精算なので、駅員が改札するのはJRの列車が到着したときのみ。ただし早朝深夜・日曜祝日は駅員不在。駅員不在時は自由に出入りできてしまいます。

西口から山形鉄道に乗車する際には、乗車時に整理券を取ればよいだけです。では、西口からJRに乗車するときはどうすれば良いのか?この機械で乗車証明書を発行し、降車駅で精算すれば良いです。

では、JRを降車して、西口から出場するときにはどうすればよいのか?西口改札の内側に切符回収箱があるので、ここに切符を投入すれば良いワケです。山形鉄道を下車した場合は車内で精算済みなので、そのまま西口改札から堂々と退場すれば良いです。

西口駅舎内に掲出されている三陸鉄道のポスターと、跨線橋に掲出されているフラワー長井線のポスター。三陸鉄道のポスターは壁面にポツンと貼られていて、少し切ないです。

今度はJR東日本が管轄する東口駅舎を見てみましょう。って、西口駅舎とぜんぜん違うー!?西口駅舎とは打って変わって、現代風のシャープなデザインはパラグライダーを模したものだとか。山形新幹開業の翌1993年に、東口駅舎も供用開始となったそうです。

東口駅舎にはJRの駅員が常駐、JRとなぜか山形鉄道の自動券売機が設置、コンビニや土産屋もあり。赤湯市街の中心地が東側にあるためなのか、東口駅舎は大規模になっています。

ICカードの簡易リーダ―がありますが、これも跨線橋と同様にモバイルSuica特急券専用です。乗車券としてICカードは使用できないので注意が必要です。


乗車券の取り扱いは西口駅舎とまったく同じです。JRの駅員が常駐していますが、改札を行うのはJRの列車が到着したのみ、というのも同様。駅員が改札していないときは、駅員室の窓のところに置いてある回収箱へ切符を入れるのも同様です。

東口駅舎内でお土産を販売する「道の駅」ならぬ「駅の駅なんよう」が併設されています。

西口駅舎にはないのに、鮎貝りんごのスタンドポップが入口に設置されています。

なぜスタンドポップが設置されているかというと、鮎貝りんごグッズが大量に売られているからです。品揃えは長井駅のものと同じでした。

お土産屋の中に併設されている待合室に、ウサギのキャラのスタンドポップが設置されています。この2羽はビバとベジという南陽市のキャラクターとのこと。お土産屋の中にはもう1か所設置されています。

流行りを外したキャラデザと巨大なスタンドポップで目立ちまくるのがこれ。みちのくおとぎ街道とは、4市町を結ぶ国道113号線の愛称であり、民話や童話が残る「おとぎの道」とのことです。

最後は線路の話。上の写真は4番線ホーム北端から見た風景で、左が山形鉄道の狭軌線路、右がJR奥羽本線の標準軌線路になります。JR奥羽本線の方が明らかに軌間が広くなっているのがわかりますね。

これは1番線ホームから見た風景。隣の2番線ホームが不自然に離れているのがわかります。おそらくJR奥羽本線を標準軌に改軌した際に、幅が足りなくなり2番線側の線路が引き剥がされたのだと思います。通常なら3面5線となるところを、3面4線となっているのはこれが原因ですね。

あおいとICカードを巡る旅

鉄道むすめと交通系ICカードを巡る旅の記録。

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