りゅーと

場所:新潟交通 新潟駅前案内所
手段:窓口担当者より購入
新潟交通が発行するICカード。サービス開始は2011年4月24日。新潟市オムニバスタウン計画と連動して導入されました。新潟交通ではりゅーとの他に、交通系ICカード全国相互利用サービス10種のICカードも利用することができます。


新潟空港リムジンバスも全国相互利用サービス10種に対応済み。先払い方式なので乗車時にカードリーダーにSuicaなどをタッチすればOKです。空港には紙の券売機がありませんでした。


名前の由来は新潟の雅称「柳都」から。アルファベットで表記するとRYUTOになりますが、正確には写真のように「U」の下にアンダーバーが付きます。ICを横に倒すことによって、カード名称にICを含むという命名則の1つをクリアする、という離れ業をやってのけました。

新潟駅万代口側に万代口バスターミナルがあり、新潟交通の新潟駅前案内所はそこに設置されています。写真のように今風で大型な案内看板が掲げられているので、行けばすぐ分かると思います。ここの窓口で「りゅーとください」と伝えれば、このカードを手渡されます。窓口担当者は2人いますが、どちらでも対応してもらえます。
万代シティにあるバスセンター案内所でもりゅーとを購入することができます。万代シティとはさて商業施設が集まったエリアの総称らしく、新潟駅前よりこちらの方が賑やかな印象でした。新潟駅から徒歩10分ほどで行けます。

この写真はJR新潟駅万代口にあるバス乗り場。新潟市と新潟交通が共同でBRTとして整備した「萬代橋ライン」というバス路線の始発点になります。BRTというのは「bus rapid transit」の略で、新潟市オムニバスタウン計画のキモになるシステムです。というワケで、BRTとりゅーとの関係を少し。

以前の新潟市のバス路線網は煩雑の一言に尽きるようです。都市中心部ではバス路線が重複しまくりな上に、当然渋滞に巻き込まれるワケで、系統の異なるバスが数珠つなぎで走っているような非効率極まりないものだったそうです。


そこで持ち出されたのがBRTというシステム。都市中心部のバス路線を基幹路線に一本化した上で、周辺部へ向かう際には基幹路線上のバス停で乗り換えるというシステムです。上の写真は萬代橋ラインにある「市役所前」というバス停で、待合所も完備した乗換拠点として整備されています。右奥の赤い看板が萬代橋ラインの到着所で、緑の看板が各方面へ向かう路線の発車所です。鉄道の駅っぽいですね。


BRTの成功のためには乗換拠点でのスムーズな乗り換えが必須条件。設備はこのように整備されましたが、ここでICカードの出番というワケですよ。簡単でスムーズな人の乗り降り、乗り継ぎによる割引計算など、現金精算では破綻する問題をICカードが一挙に解決してくれます。単なる既存システムの置き換えではなく、りゅーとはこのような大事な使命を新たに背負ったICカードと言えます。


BRT成功のためにはもう一つの必須条件があります。それは基幹路線の速達性と定時性です。もし基幹路線の到着が遅れれば、乗り換えがスムーズにできなくて利用者のストレスがマッハになるのは火を見るよりファイヤーです。従来から渋滞が元凶ならば、速達性と定時性を確保するためにバス専用道の設置が必須というワケですよ。しかし関係各所との調整が難航したため、新潟市は専用道の設置を見送ってしまいました。


そんなこんなで萬代橋ラインは2015年9月5日から運行を開始しました。観光客の立場で成否を語るのは難しいでしょう。ただ、当初の問題解決の手段としてBRTは決して間違ってはいないと思います。


あおいとICカードを巡る旅

鉄道むすめと交通系ICカードを巡る旅の記録。

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